23、 206ページの鍾山即事の2列目

「弄春柔」は 「春に弄(たは)むれて 柔かなり」と読んだほうが、良いと思うのですが。

 

そして、訳も「竹藪の西の草花は、春風に戯れて たなびいて 柔らかに 揺れている」とした方が、

水の流れ方、或いは 草花の状況が伝わるものと思います。

「鍾山即事」、王安石

                この漢詩の読み

澗水無声遶竹流       かんすい 声無く 竹をめぐって流れ

竹西花草弄春柔       ちくせいの かそう 春にたわむれて柔らかなり

茅檐相對坐終日       ぼうえん あいたいして座すること終日

一鳥不鳴山更幽       いっちょう鳴かず 山さらに幽なり

 

この漢詩の訳

 

谷間の水は音もなく竹叢をめぐって流れ

竹叢の西の草花は 春風に 戯れて たなびいて柔らかに揺れている

茅葺の粗末な庵で そんな春の光景を一日中眺めている

一羽の鳥も鳴くことなく 山は いっそう静まり返っている

 


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