漢詩についてのワンポイント アドバイス B

●漢詩の形式

近体詩が確立される以前の詩の形としては、五言詩の他に「辞賦(ジフ)」「楽府(ガフ)」と呼ばれるものがあります。

辞賦は 漢代に流行した長編の韻文であり、楽府は うたわれることを前提とした歌の歌詞でした。

辞賦は 漢代以後あまり作られなくなりますが、楽府のほうは 唐代以後も、詩とは違った味わいを載せる歌として

作られ続けます。

私たち日本人は 中国の詩の事を「漢詩」と呼びますが、「漢」とは もともと王朝の名前です。

漢王朝は 名実共に文化を代表する大帝国だったので、「漢」を頭につけて「漢字」「漢文」そして「漢詩」と言って

それぞれ中国の文字、文、そして 詩を指すようになりました。

只、気をつけておかなければいけないのは、「漢詩」「漢文」と言う言い方は日本独自の表現であって、

中国で「漢詩」「漢文」と言うと、漢の時代の詩、或いは 「漢の時代の文」を表す言葉になるということです。

ですから中国人は 漢詩は「旧詩」、漢文は「古文」と言います。

漢詩紀行100選から抜粋

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